3.5インチFD(MFD:Micro Floppy Disk)は従来のFDより小さい直径3.5インチ(90mm)のディスクを硬質プラスティック製の"シェル"に格納し、ヘッドが読み書きする窓部分からのぞくディスクをちりやほこりから保護するシャッターを装備、ディスクのハブ部分に金属を使うことでディスクの損耗を防ぐと同時に高速で正確なアクセスを実現、書き込み禁止/可能を容易に切り替えられるスライド式ライトプロテクトノッチを装備、両面記録でも裏返す必要がない(ドライブ側にヘッドが2つあるため)...など、従来の8インチや5インチと比べると画期的という印象を受けました。
「SMC-70」に搭載(というかオプション)のFDDで使用できるのは1DD(片面倍密度/倍トラック、約280kバイト)とかいう中途半端な容量で、シャッターはスプリングの力で自動的に閉まるのではなく、手動で開け閉めするという現在のものとは少し異なる仕様でした。確かスライド式ライトプロテクトノッチも現在とは違っていたような...(あいまい)。
私が社会人になったころ(MS-DOS全盛w)、FDが唯一の外部メディアでした。5.25インチと3.5インチが同時に存在した時代で、PCは「J-3100シリーズ」とIBM PC/ATを使っており、両方同じくらいの割合で扱っていました(J-3100側のオプションとして外付け5.25インチFDDを用意)。
容量はどちらも2HD(両面高密度/倍トラック、1.21Mバイト/1.25Mバイト)が主流で、ときどき2DDを使うという感じでした。3.5インチ1.44MバイトはMacintosh専用みたいなイメージがありましたが、アメリカではすでに主流だったようです。
HDDはOSやアプリケーション専用で、作成したデータ等はFDへ保存、というのが当たり前でした。当時のデータといえばせいぜいワープロ文書(画像なし)や表計算のワークシート程度だったので容量も必要十分でした。
個人ではPC-9800シリーズ(3.5インチFDD×2基内蔵)を購入したため、個人で扱うFDはすべて標準の1.25Mバイト(1.23Mバイト)フォーマットにしていました。実はPC-9800シリーズのMS-DOSのFORMATコマンドでは1.21Mバイトもフォーマットでき(隠しスイッチ"/5"による)、また2DDの640kバイト("/6"スイッチ、標準)や720kバイト("/9"スイッチ)もすべてフォーマットできました。
J-3100シリーズは1.21Mバイトが標準で、1.25Mバイト/640kバイトも読み書きできますが、FORMATコマンドは1.21Mバイト/720kバイトしか出来なかったと記憶してます。
2DD(両面倍密度/倍トラック、640kバイト/720kバイト)はほとんどのPCや一部オフィス用ワープロ専用機でも読み書きフォーマットが可能でしたので、データの受け渡しの際などには互換性がほぼ保たれる2DD/720kバイトを使っていたこともあります(2DDフォーマットは2HDディスクで代用可能、その逆は不可)。
なお、2HDのシェルには判別ホールが開けられており、ドライブが対応していれば2HDを自動認識可能になっています(実際にはほとんど存在しませんでした)。
その後、NECのPCも3.5インチ1.44Mバイト2HDを標準として採用し、逆に1.25MバイトはDOS/V機などでは扱えなかったため、3.5インチ1.44Mバイト2HDが主流となりました。さらに、Windowsに移行してからは周辺機器メーカーの一部外付けFDDで「3モード」をうたう製品以外では1.2xMバイトが扱えなくなりました。
私の場合、PCG-803(FDD内蔵時は3モードドライブとして動作)でWindows 98環境へ完全移行する際、使う可能性のあったFDをすべて1.44Mバイトへ作り直しました。
販売されている製品はフォーマット済みのものが多く、IBM形式が主流だったころは「2HD-256」、NEC形式が主流になると「2HD-1024」などセクターサイズが表記されていたり、1.44Mバイトの製品は「Macintosh用」などと表記されていたことも。実際には物理的な違いはないので、フォーマットしてあろうとなかろうと関係ないんですけどね。
市販アプリケーションのインストール媒体も以前はFDでした(Windows 3.1は15枚、Excel 5.0は13枚)。PC誌の付録も最初は5.25インチFD、のちに3.5インチFDでしたね。90年代半ばごろからCD-ROMおよびCDドライブが普及し、市販アプリケーションや付録もCD-ROMでの供給が主流になり、FDDの出番はほぼ完全になくなりました。
Z1にはFDDがないこともあり、外付けドライブも結局購入しなかったので1回も使ってません。Z1を購入後、PCG-803を使ってFDに入っているデータなどは外付けHDDへ移してしまったので、もう必要ないかなとも思いつつ、納戸に眠ったままになっています。
ちなみに、5.25インチFDもまだたくさん残っていたりします。外付けドライブが壊れたので完全にごみと化していますが。
....くだらない思い出話になってしまいました(^^;)。
>>>3.5型フロッピーディスク販売終了のお知らせ